二拠点居住のアレ的な話

東京と鳥取を行き来する二拠点居住。一人ひとりが自分のやりたいコトに挑戦できる社会の仕組みを生み出したい。

組織や個人の『暗黙知』こそが働き方変革を阻害する原因

個人事業主となって、そろそろ1年が経ちます。

 

「働き方」という観点からこれまでの自分自身を振り返ると、

1.スタートアップ:数ヶ月前に立ち上がったばかりの組織。少人数で働き方自由。基本拠点はコワーキングオフィス。

2.一般企業:定時があり、オフィスがあり、大企業との取引もある社員600名くらいの会社。末端の新卒。

3.スタートアップ:店舗運営型のビジネスモデル。定時あり、店舗にベタ付きしながら事務作業・本部作業も行う。

4.個人事業主:東京と鳥取の二拠点居住。基本的に定時なし、オフィスなし。リモートワークを中心としてskype会議やメールベースのコミュニケーション多用。

とまぁ、こんな感じ。

そう考えると、今まで定時帰りはなかったものの(笑)それ以外のほとんどの働き方は経験したとも言えます。そして、大企業からスタートアップ、そして個人事業主や小さな制作・企画会社、行政やNPO法人といったたいていの組織ともやり取りを経験しています。

そんな中で、組織や個人の『暗黙知』的なノウハウや文化・慣習こそが今後の働き方変革にとって非常にやっかいであるということを悶々と感じています。

 

例えば、スタートアップでいうと基本的には少人数なのでメンバー同士の相性やチームワーク、個人の意欲によってパフォーマンスが大きく変わります。だからこそ、一般企業では考えられないくらい仕事に対する価値観共有や現状共有もマメであることが多いように思います。リスクに関する考え方は「リスクは取る」のが普通です。

 

次に、一般企業では制度が充実し、ある程度の指示に関しては守ることが当たり前です。業務の中で指示が出た部分に関してはちゃんとやるのが普通だからこそ仕事に対する価値観共有などが少なくとも会社全体が歯車のようにちゃんと回り、パフォーマンスを発揮します。リスクに関する考え方としては出来るだけ避ける方が無難です。

 

最後に、個人事業主では誰かに報告・相談・連絡するみたいなことがほとんどありません。結果、プロジェクト単位になった際にメンバー同士もある程度は干渉し合わない状況がほとんどです。なので、タスク管理ツールを入れてもそもそも更新されないみたいな状況が起きます。リスクに関する考え方としては、大きなリスクは取りませんが小さなリスクを分散的に管理します。

 

さて、上記3つの働き方がそれぞれ長かった人が一緒に仕事をすると何が起きるでしょうか?おそらく、スタートアップ出身者のことを一般企業出身者や個人事業主出身者はアツくて、何でも話したがるやつと思うかもしれません。また、一般企業出身者はタスク管理や連絡が個人事業主出身者から滞ってることに腹を立てるかもしれません。逆に、スタートアップ出身者は他二人のことを仕事を本気でやる気あるの?と思うかもしれません。

 

これまで、色々な段階において『新しい働き方』はブームになりました。

直近でいえば、ノマドワーカーです。

もちろん、今でも同じように働いている人はいるかもしれません。それでも、全体の働き方に影響を与えたかといえばそんなことはないでしょう。

現在、ランサーズやクラウドワークスによって主婦や副業を行う人が増えています。

今後本当の意味で働き方変革によってリモートワークやパラレルキャリアという場所や組織に囚われない働き方や個人がしっかりと自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択する際に、上記のような組織や個人の『暗黙知』的なノウハウや文化・慣習が障壁となる可能性が高いでしょう。

逆にいえば、こういった部分を越えるための正しいチームビルディング方法もしくは取引先とも良好な関係を築ける方法が今後の働き方を変えることにつながるのかなと思います。

 

もちろん大きなインフラ整備やツールも大事だと思います。

ただ、リアルな話このへんの言葉にできない暗黙知こそが働き方変革を阻害する大きな要因のひとつであり、一番やっかいな要因なのかもしれません。

「好きなようにする」ことは、タフで厳しい→それでも好きにやろう。

『ストーリーとしての競争戦略』でおなじみの楠木教授。

今度は「好きなようにしてください」なる本を出したそうな。

www.dhbr.net

 

ここで言及されているように「好きなようにすること」は非常にタフなこと。

自分の決定には自分で責任持たないといけないし、

誰も保証はしてくれないし、

そもそも自分で決めるために自分の進む道や価値観を深く考えなくちゃいけないし、

それが出来るだけのスキルが必要だし、、、

 

でもね、それでも好きなようにした方が良いと思う。だって、

自分の人生だし、

結局は最終的な責任は自分でしか取れないわけだし、

1回しか基本的には用意されてないんだし、

自分で責任を持てるということは自分で決めることが出来るわだし、、、

 

あと、ここでもうひとつ大事だなと思った視点は

自分以外の誰かのためになってこその仕事です。人に貢献できないこと、対価が支払われないことをいくらやっても、それは仕事ではない。」(本文引用)

自分が好きなことをしようという個別感と上記のような全体感。

この間にこそ、真の仕事があると思います。自分が取り組むべき仕事が。

この2つの視点を持って、キャリア形成ができると絶対的に困らないと思うし。

好きなことしながら楽しんで仕事していけるんだろうなと。

【記事】「人生の生涯収入はキャリアの最初の10年で決まる」ということが判明

gigazine.net

↑こんな記事を見つけました。

これは比較的納得感のある話です。

その上で、もう少し思考を進めてみたいと思います。

 

まず、なぜそのような開きが出るのか。その理由を考えてみます。

1.年収の高い職場は求められることも高い

ある種、上記の理由が一番なのかなと思います。給料が高いということは求められる仕事のレベルも高い。必死になるうちに自分も驚くほど成長してる。

成長することでさらに高い給料の仕事へと移っていけるといった構造です。

 

2.そもそも会社バリューの高い仕事である。

もうひとつは特に日本などにおいては会社のネームバリューも大事です。

逆にこれさえあればどんどん上がっていける可能性だってあります。

 

3.そもそもその人の能力値が高い。

会社に入るまでの経験や学んだことなどのレベルが高いからこそ給料の高い仕事ができるのではないかというものです。

 

2は日本特有のところもあるかもしれません。本来的にはやはり能力や価値ある仕事をできるからこそ給料も高くなるというのが自然なカタチじゃないかな。

そういう意味でいうと、1といった部分が大きいと考えられます。

 

で、逆に自分たち個人に還元して考えると下記2つのことが言えると思います。

1.なら、就職前にいかに能力値を引き上げるかを考えるべき

新卒から高い給料、高いレベルの仕事を求められる環境に身をおくためにはここが一つ重要なポイントです。

そして、それを成すためには早くからいかに社会に触れるかが大事なのかなと思います。バイトでもただただ金のために働くのではなく、社会という虚像を考えながらバイトに従事してみたいり、もっと言えば一回起業してみるのもイイかもしれません。

早くに社会に触れ、考えるということは社会に慣れるということです。一括採用や横並び採用の中で自分だけ社会に慣れるという意味では頭ひとつ抜きんでるということに繋がり、結果高いレベルの仕事につけるようになります。

 

2.とはいえ、同じ会社の中でも成長率を比べる必要あるよね。

先ほどの記事はあくまで上位●●%の方々という括りでした。そこに企業いかんは考慮されていません。そして、図を見てもわかるように上位数%以外の部分は平たんが続いていて、最後急激に変化しています。

なんだか結局は努力を続けた人が成長するんだろうと思わされます。

とはいえ、最初の就職先の年収というよりは10年の間に築いたスキルや地位がその後の年収に影響を与えるということはこの調査からはっきりしています。

自分も頑張らねばと思いました。